小郡市  整形外科 福岡志恩病院

小郡市 美鈴が丘
医 療 法 人 オ ア シ ス
福 岡 志 恩 病 院
整形外科 リハビリテーション科 麻酔科 リウマチ科

疾患説明

変形性膝関節症

1 膝ってどんな関節?

 膝関節は大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨とそれぞれを連結する強靭な靭帯で構成されています。膝関節が正常なときは骨を覆う軟骨がクッションの働きをして、関節の滑膜から分泌される関節液はヒアルロン酸を含み粘調度が高く、関節の潤滑油と軟骨の栄養の働きをします。また立った時に体重のかかる軸が股関節・膝関節・足関節の中心を通ります。
 歩行時に体重の5〜6倍もの力が膝にかかるのですが、中高年になって体重増加すると膝にかかる負担は大きなものになります。日本人は膝の内側の軟骨が減るタイプが多く、進行すると体重のかかる軸がさらに傷んでいる内側を通るようになってしまいます。O脚変形とも呼ばれます。




2 変形性膝関節症の初期から中期

 まだ初期の変形性膝関節症では、軽度の関節軟骨の磨耗が生じているものの、本人が自覚するような症状はほとんどありません。
 ところが、軟骨の磨耗がある程度すすむ(中期)と、膝の曲げ伸ばしや立ち上がりや歩行時に膝にかかる負担が増加して、軟骨、半月板の変性による刺激などにより関節炎が生じます。関節炎が生じると、膝を曲げ伸ばししたときの痛みと動きの制限が生じます。また、関節液が多量に分泌されて関節に「みず」がたまります。なお、この時は関節内のヒアルロン酸は逆に減少して、粘調度は低下しています。
 この時期の治療は炎症をおさえるための投薬と関節内ヒアルロン酸注射、さらに周囲の筋力訓練がメインとなります。



3 変形性膝関節症の進行期

 さらに変形性膝関節症が進行してくると、軟骨の磨耗(まもう)がさらに進み、軟骨下骨が露出して、骨棘や骨破壊といった骨そのものの変形が生じたりします。 ここまでくると、単純な膝の動きのたびに、硬い骨同士が直接ぶつかり合うために非常に強い痛みを生じてしまいます。また、膝関節の曲げ伸ばしの制限も高度となり日常生活において大きな障害となります。



 治療としては投薬・注射・リハビリでの効果が多くを望めなくなるため、手術的な治療が必要となってきます。



4 代表的な手術方法

@ 高位脛骨骨切り術 (high tibial osteotomy : HTO)

 日本人は内側型変形(O脚)が多いのですが、外側の軟骨などにまだ強い損傷が及んでいないケースもあります。そのような場合に体重がかかる軸を傷んでいない外側にずらす手術方法なのです。軽いX脚を作ることになります。当院では内側の関節裂隙がせまくなっているけれども、可動域が保たれており、肥満がなく活動性が高い70歳以下の症例を適応にしています。大腿骨内顆骨壊死に対しても有効な手術方法です。
 脛骨近位部を楔型に骨切りして、外反矯正してロッキングプレートにて固定しています。手術後2週くらいから荷重を開始して、手術後1か月くらいより全荷重を許可しています。入院期間は約6週です。




A 人工膝関節置換術

 人工膝関節置換術は英語で「TotalKneeArthroplasty(TKA)」とか「TotalKneeReplacement(TKR)」と表記され、略して「TKA」とか「TKR」と言われています。人工膝関節置換術は破壊され変形した膝関節の痛みのために歩く事もままならなくなり、日常生活に大きな支障を来たす患者さんに対して行われる手術です。
 手術の概略は、関節の壊れてしまった骨・軟骨の部分を切除して、それぞれのサイズに合わせて骨をカットして人工関節を埋め込みます。人工関節は金属(コバルトクロム合金やチタン合金)と超高分子ポリエチレンで出来ています。
 術後早期から歩行時のひざ痛がなくなり、成績の安定した手術です。手術後の痛みが軽減してくれば荷重を許可しており、手術後2週くらいより全荷重を許可しています。手術後約3週で退院となります。





内側に限局した関節症で前述の高位脛骨骨切り術の適応とほぼ一致するものの、70歳以上の症例には、「Uni-compartment Knee Arthroplasty ( UKA )」と呼ばれる内側だけの人工関節手術も行っています。
どちらの手術も従来と比較して低侵襲で行うことができるようになりました。皮膚切開がTKAは10〜12cm、UKAは6〜7cmで済みます。